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結核の現状
著者: 山岸文雄1
所属機関: 1国立療養所千葉東病院
ページ範囲:P.44 - P.44
文献購入ページに移動1962年から77年まで,対前年比で約11%ずつ減少してきた結核罹患率は,以後減少速度の鈍化が著しく,1981〜89年では年間減少率は3.2%となった.最近ではその鈍化はさらに著しく,1994年の新登録結核患者数は44,590人,罹患率は人口10万対35.71)となっている.また1988年における先進諸国との結核罹患率の比較では,オランダ8.0,米国9.4,イギリス10.2,フランス16.7に対し,わが国は44.3であり,先進国の中では最も高率で,東欧諸国並みである2).
世界の結核の流行状況は,発展途上国を中心とした対策の遅れ,貧困,感染,発病リスク人口の増加により,ますます厳しくなってきている.1990年の推定結核新患者数は全世界で753万人,結核死亡者数は253万人とされているが,HIV流行により2000年には発生患者数は36%増の1,022万人,結核死亡者数は39%増の350万人に達するといわれている1).
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