文献詳細
増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅵ.感染症とその検査法
文献概要
リケッチア症とはRickettsia属の病原体に感染することで起こる疾病である.1994年まで,Rickettsia属は発疹チフス群,紅斑熱群,つつが(恙)虫病群の3群に分類されていた.しかし1995年,Rickettsia tsutsugamushiの16 S rRNAの塩基配列が決定され,紅斑熱群,発疹チフス群リケッチアの16 S rRNAとの比較,およびこれら病原体の膜成分の相違などから,R. tsutsugamushiは新たにOrientia属を創り,Orientiatsutsugamushiとしてこの属に含まれることとなった1).この結果,Rickettsia属による疾病は発疹チフス群および紅斑熱群の2群によるものとなる.しかし,日本においてリケッチア様疾病で最も患者数が多いのはつつが虫病であり,また一部の地域では紅斑熱群リケッチア症も発生している.このため,本稿ではこの2疾病について検査法を中心に述べる.
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