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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻7号

1996年06月発行

増刊号 感染症検査実践マニュアル

Ⅵ.感染症とその検査法

21.ペット由来の人畜共通寄生虫症

著者: 赤尾信明1 藤田紘一郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.197 - P.200

文献概要

はじめに
 人畜共通寄生虫病とは,ヒトから他の動物に,あるいはヒト以外の動物からヒトに感染しうる寄生虫によって起こる病気のことをいい,1979年に発表されたWHOの分類によれば,105種類以上の病原体による63の疾病が列挙されている6).その一部を表1に挙げる.動物由来の寄生虫がヒトに感染する経路としては,①魚や肉などの食品を介しての感染,②動物の寄生虫が直接ヒトに感染,③節足動物(ダニ・蚊など)が感染を媒介するという3とおりである.ここでは②と③に含まれる人畜共通感染症の中で代表的な疾患について解説する.
 動物から感染する寄生虫を2つに分けると,①寄生虫それ自身に宿主特異性がなく,ヒトを含めいろいろな動物に感染しうる寄生虫と,②本来は動物の寄生虫であったものが偶発的にヒトに侵入し,さまざまな症状を引き起こすものとに分けられる.前者の代表的な寄生虫がトキソプラズマ症であり,後者にはトキソカラ症をはじめとするイヌやネコ由来のさまざまな寄生虫による疾病が含まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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