文献詳細
増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅹ.技術講座
文献概要
1884年にHans Christian Gramによって考案されたグラム染色法は,Hucker,Kopeloff,Bartholomewなどにより変法が検討された.現在ではそれらの変法と変法をさらに改良した方法が実施されている.グラム染色でグラム陽性(以下,陽性)か,あるいはグラム陰性(以下,陰性)かの分別に大きな影響を与えるのは細胞壁に存在するムレイン層の厚さではないかと考えられているものの,このほかにも種々の因子が関与するようである.実際に行うグラム染色では菌種,菌の培養条件,染色条件でも染色性が異なるので,それらの問題点とその対策および培養時間の差による染色性の違いなどについて述べる.
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