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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻8号

1996年07月発行

文献概要

けんさアラカルト

造血幹細胞移植における検査技師のかかわり

著者: 谷脇清助1

所属機関: 1兵庫医科大学病院輸血部

ページ範囲:P.632 - P.632

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 悪性造血血液疾患の治療法の1つである同種骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)は,主として血縁者間で行われていたが,血縁者間でHLA型の適合する確率が少なく,骨髄バンクの設立が叫ばれていた.1991年,ようやく骨髄移植推進事業団が発足し,骨髄バンク事業も始まり,現在では造血幹細胞移植は年間約400例以上行われるようになった.骨髄バンクの骨髄提供登録者数は,1996年2月末で70,282名,非血縁者間骨髄移植実施数は1991年から現在までに674例,また患者登録数は3,824名であり,まだまだ提供登録者数の不足をきたしている.一方,自家骨髄移植は患者の寛解状況,採取後の処理,凍結保存など手間と凍結費用がかかるため,現在ではあまり行われていない.
 次に,近年急速な進歩を遂げた末梢血幹細胞移植(peripheral blood stem cell transplantation;PBSCT)療法は抗癌剤投与後の寛解状態時にサイトカインを投与し,一時的に末梢血中に出現する造血幹細胞を採取後,細胞を処理し凍結保存をしておき,患者に強力な治療を行った後に凍結細胞を解凍して輸注し,細胞の回復を図る治療法である.同種造血幹細胞移植においては骨髄採取に際し麻酔による合併症も起こりうるので,今後はできるだけリスクの少ない自己末梢血幹細胞移植,また非血縁者からの同種末梢血幹細胞移植が多くなるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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