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HGFとc-met
著者: 坪内博仁1 石野田与至宏1
所属機関: 1宮崎医科大学第2内科
ページ範囲:P.663 - P.665
文献購入ページに移動 HGF(hepatocyte growth factor;肝細胞増殖因子)は,初代培養ラット肝細胞の増殖促進因子として,筆者らにより初めて劇症肝炎患者血漿から単離・精製された肝再生因子である1).筆者らはHGFのcDNAのクローニングにも成功し,全一次構造をも明らかにした.その後,HGFは上皮細胞の運動性の亢進,器官の形成,さらには腫瘍細胞障害作用などの多彩な生物活性を持つことが示された.最近,HGF遺伝子を欠失したノックアウトマウスでは,胎盤形成不全により胎児期に死亡することが報告された2).HGFは多機能生理活性物質であり,生体における発生・分化に極めて重要な役割を果たしていると考えられる.
一方,metオンコジーンは化学発癌物質N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(MNNG)で処理したヒト骨肉腫細胞(HOS細胞)から単離された活性型癌遺伝子である.そのプロトオンコジーンc-metは受容体型チロシンキナーゼをコードしているが,それがHGF受容体であることがBottaroら3)により明らかにされた.
一方,metオンコジーンは化学発癌物質N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(MNNG)で処理したヒト骨肉腫細胞(HOS細胞)から単離された活性型癌遺伝子である.そのプロトオンコジーンc-metは受容体型チロシンキナーゼをコードしているが,それがHGF受容体であることがBottaroら3)により明らかにされた.
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