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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻8号

1996年07月発行

文献概要

トピックス

アルツハイマー病診断を目的にアポリポプロテインEの遺伝子型を検査することの是非

著者: 大久保昭行1

所属機関: 1大蔵省印刷局小田原病院

ページ範囲:P.666 - P.668

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 アポリポプロテインE(アポE)の遺伝子は第19染色体上にあり,成熟蛋白は299のアミノ酸からできている.アポEには3種類の対立遺伝子(ε2,ε3,ε4)がある.ε2,ε3,ε4由来のペプチドをそれぞれE2,E3,E4(表現型)で表す.E3が野生型で,E2はE3と比べ158番目のアミノ酸がArgからCysに,E4は112番目のアミノ酸がCysからArgに置き換わっている.アポEは各対立遺伝子由来の3種類のペプチド2個より構成されているので,合計6種類のアイソフォームが存在することになる1)
 アポEはカイロミクロン,超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein;VLDL),高比重リポ蛋白(high density lipoprotein;HDL)の構成成分であり,カイロミクロン,VLDL,低比重リポ蛋白(low density lipoprotein;LDL)のレセプターのリガンドとして働いている.アポEと結合するLDL関連蛋白も存在する.アポE2とLDLレセプターとの結合活性はE3と比べ2%低く,Ⅲ型高脂血症の患者の約90%がE2/E2のホモ接合体である.しかし,E2/E2の1〜2%がⅢ型高脂血症になるに過ぎない.E4を持つ人では,アポE含有のリポプロテインレムナントの代謝が亢進し,LDLコレステロールが上昇し,動脈硬化症になりやすい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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