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血球凝集
著者: 巽典之1 片上伴子2
所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学 2大阪市立大学附属病院中央臨床検査部
ページ範囲:P.736 - P.736
文献購入ページに移動さて,血球凝集として最もよくみられるのは赤血球連銭形成(図a)であり,血小板凝集(図c)であろう.前者は赤血球凝集(図b)とは異なり,表面荷電によるγ-グロブリン高濃度で増強され,血液を数日保存することで観察されなくなる.連銭形成は血球計数器内でのチャンネル中での流力で解離するほどの弱い結合である.血小板凝集は,採血操作時の血小板活性化の結果であったり,免疫学的機序により生じるもので当然のことながら血小板数の偽低値が生ずる.血小板サテライト凝集(図d)や,主として好中球凝集の形でみられる白血球凝集(図e)は免疫学的機序の関与が考えられているものの定説であるとはいいがたい.白血球凝集はEDTA血の血漿・血球層の界面に肉眼的微細塊として観察できることが多く,患者病像と白血球数が合わないときには考慮すべき事象である.
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