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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻9号

1996年08月発行

文献概要

検査データを考える

鍍銀染色で染まる線維は何か

著者: 田中文彦1

所属機関: 1帝京大学医学部病院病理部

ページ範囲:P.753 - P.757

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はじめに
 結合組織は線維芽細胞(fibroblast)などの細胞成分と,それらの間を埋める線維などの細胞外マトリックスとからなり(表1),中枢神経系を除くほとんどあらゆる臓器や器官の実質細胞を支持している.筆者らは学生時代に,これらのうちの線維組織を構成する線維には大きく分けて膠原線維(collagen fibers),弾性線維(elastic fibers),細網線維(reticutar fibers)の3種類があると教わった記憶があるが,Bloom & Fawcettの組織学の教科書の最新版1)では細網線維は膠原線維の仲間として論じられており,type-Ⅲコラーゲン(collagen)分子により構成される線維であるとされている.細網線維は鍍銀染色で銀粒子を吸着して黒染し,好銀線維とも呼ばれるが,ここではまず各種のコラーゲン分子と細網線維や膠原線維との関連を整理してから話を進めて行こうと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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