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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻1号

1997年01月発行

検査法の基礎検討のしかた 血清検査・5

免疫成分測定法での標準品による評価と合わせかた

著者: 伊藤喜久1

所属機関: 1自治医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.73 - P.77

文献概要

血清蛋白測定の標準品の歴史的変遷
 標準化とは,同一のサンプルを測定して,世界のいかなる検査室においても同一結果が得られることを究極の目標とする国際的な精度保証システムと筆者は定義している.血清蛋白測定の標準化の歴史は古く,1967年のWHOが作製したIgG,IgA,IgMの3種の標準品にさかのぼるることができる.当時,免疫学的測定法で隆盛を極めていたのは単純免疫拡散法であり,この時点ですでに標準品の持つ重要性はかなり理解されていたはずである.これを皮切りにWHO,米国CDCなどから新しい成分についても標準品が次々と世に出されたが,標準品自体に一定の作製基準,各成分の値付けの方法など定められた方法がなかったために,施設間でのバラツキの縮小については必ずしも満足のゆく結果が得られなかった.しかし,少なくとも,これらの標準品の登場が契機となって,測定法の精度については世界の公的機関,企業,臨床検査室の努力により,飛躍的に向上が図られたことは大きな進歩であった.
 このような歴史的背景のもとで,1992年,国際臨床化学連合(IFCC)により完成された血清蛋白国際標準品CRM 470は,これまで抱えていた諸問題に対して一挙に解決を与える歴史的に高い意義を有する標準品である1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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