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新しい血小板凝集能測定法
著者: 佐藤金夫1 尾崎由基男1
所属機関: 1山梨医科大学臨床検査医学講座
ページ範囲:P.79 - P.82
文献購入ページに移動血小板は血液中の約2μmの大きさの細胞であり,生理的な止血機構の中心的役割を果たしている.血管内皮細胞が外傷などにより障害を受けると,内皮下組織が血液中に露出するようになり,血小板は速やかに内皮下組織と反応し活性化される.活性化された血小板は,またみずからも活性化物質を産生,放出して他の血小板を刺激することにより血小板血栓を形成していく.また,血小板は心筋梗塞,脳梗塞などの病的血栓の形成にも重要な役割を演じており,血小板の機能を評価することは血栓傾向あるいは血栓準備状態の発見,およびそれらの病態解明において有用な情報を提供すると考えられる.
従来より,血小板凝集能の検査には血小板凝集の程度を光透過性(吸光度)の変化を利用して測定する吸光度法1,2)が汎用されている.しかし,顕微鏡による観察では,アデノシンニリン酸(adenosine 5'-diphosphate;ADP)やエピネフリンなどによる血小板凝集は刺激直後より小凝集塊の形成が認められるが,この時期には吸光度法では変化がみられず,数千個の血小板からなる巨大凝集塊が形成されて初めて吸光度の低下が起きる3,4).このように,吸光度の変化は凝集の有無を示すのではなく,小凝集塊が大凝集塊になるとき起きるため,吸光度法は血小板凝集塊の形成と光透過性との相関が悪い,また刺激直後の小凝集塊の検出ができない,などの難点がある.
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