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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻10号

1997年09月発行

文献概要

けんさアラカルト

アポE表現型の測定法

著者: 多田正人1

所属機関: 1山梨医科大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.818 - P.818

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 アポリポ蛋白E(以下,アポE)は,299個のアミノ酸から成る分子量34,200の糖蛋白で,VLDL(very low density lipoprotein;超低比重リポ蛋白)やレムナントリポ蛋白,HDL(high density lipoprotein;高比重リポ蛋白)の主要アポ蛋白成分の一部を構成し,LDL(low density lipoprotein;低比重リポ蛋白)レセプターとLDLレセプター関連蛋白を介して,血清リボ蛋白の代謝とコレステロールのホメオスターシスに重要な役割を果たしている1).主要な合成臓器は肝臓で,2番目が脳神経組織であり,肝の1/3程度を合成しているとされる.そのため,アポEは脂質代謝以外にミエリンや軸索の伸長,維持,修復への関与も考えられている.
 アポEには遺伝的多形性(polymorphism)が知られており,3つの対立遺伝子ε2,ε3,ε4によりコードされたイソ蛋白(E2,E3,E4)が存在する.E3が野生型で,E2(Arg158→Cys),E4(Cys112→Arg)はone point mutationによって生じたもので,アポEの表現型にはE2/2,E2/3,E2/4,E3/3,E3/4,E4/4の6種類がある.また,この表現型の出現頻度には人種を問わずE3/3が最多であるが,欧米人と比較するとE2,E4の保持者の頻度は日本人と中国人で低い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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