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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻10号

1997年09月発行

文献概要

トピックス

プロテオグリカン

著者: 奈良佳治1 中垣茂男1 竹内純1

所属機関: 1市立四日市病院中央検査部

ページ範囲:P.874 - P.877

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はじめに
 プロテオグリカン(proteoglycan;PG)は,蛋白質(コア蛋白質)にグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan;GAG)が共有結合した大きな糖蛋白複合体の総称である.GAGは脂質,蛋白質やペプチドを含まず,アミノ糖を含む多糖類であり,化学的にはヘキソサミン(aminosugar)とヘキスウロン酸(uronic acid)の繰り返し配列よりなる.そのネバネバした性状からムコ多糖(mucopolysaccharide)とも総称され,また硫酸基やカルボキシル基を有して高度に負に荷電しており,アルシアンブルーやトルイジンブルーなどの塩基性色素で染色されることから酸性ムコ多糖とも呼ばれてきた.ヘキソサミンにはグルコサミンとガラクトサミンが,ヘキスウロン酸にはグルクロン酸とイズロン酸があり,GAGはこれらの組み合わせと結合様式により分類され,ヒアルロン酸,コンドロイチン4硫酸,コンドロイチン6硫酸,デルマタン硫酸,ヘパラン硫酸,ヘパリン,ケラタン硫酸などが同定されている.このうち,ケラタン硫酸はグルコサミンとガラクトースの繰り返し二糖よりなる.ヒアルロン酸とヘパリンにはコア蛋白がなく,GAG鎖のみからなるとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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