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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻11号

1997年10月発行

文献概要

オピニオン

ウイルススクリーニングの将来

著者: 関口定美1

所属機関: 1北海道赤十字血液センター

ページ範囲:P.904 - P.904

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 Karl LandsteinerによりABO式血液型が発見されてから間もなく100年を迎える.国際輸血学会(International Society of Blood Transfusion;ISBT)では第26回総会に当たる2000年にはLandsteinerのABO式血液型発見100年を記念してオーストリアのウィーンで開催することにしている.ヒトからヒトの同種血輸血は同種移植に相当するものとされ,いまだ解決されない多くの副作用を伴うが,血液型検査ないしは適合血検査と病原体スクリーニング検査は輸血前検査の主柱として安全な輸血のために貢献している.特に輸血感染症予防対策としてウイルススクリーニング検査の進歩が著しく,むしろ臨床ウイルス学の先導役を果たしていると言っても過言ではない.
 ウイルススクリーニングとして初めて全国的な規模で赤十字血液センターに導入されたのはHBs抗原に対する寒天ゲル反応で,1966年1月のことである.以来30年を経た現在では,HBs抗原,HBc抗体,HBs抗体,HCV抗体,HTLV-Ⅰ抗体,HIV-1/2抗体および梅毒検査を行っているが,このほか,CMV抗体を適時追加し,また最近はparvovirus B19スクリーニングを計画している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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