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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻11号

1997年10月発行

文献概要

トピックス

BCECFによる細胞内pHのモニター

著者: 米山彰子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.988 - P.990

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はじめに
 細胞内pH(pHi)はNa/H exchangerなどの機構で調節され,細胞内の代謝,分泌,細胞膜を通じてのイオンの出入り,細胞の大きさの調節など細胞内の種々のプロセスに重要な役割を果たすとともに,細胞の増殖や活性化にも重要であることが示唆されている1).したがって,pHiの測定は細胞内反応の制御機構や細胞の活性化を理解するうえで重要である.従来は微小pH電極,弱酸あるいは弱塩基,nuclear magnetic resonance(NMR)などを用いて測定していたが,操作が煩雑であること,測定感度や応答速度などの点で問題があった.蛍光pH指示薬bis carboxyethyl carboxyfluorescein(BCECF)はこれらの欠点を解決しており,蛍光分光光度計を用いてpHiの測定が行われるようになった.さらに個々の細胞の蛍光が測定できるフローサイトメーターを用いれば,細胞集団の一部にpHiの変化がある場合を含め詳細な検討が可能になる.
 本稿ではフローサイトメーターとBCECFを用いたpHiの測定について紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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