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血液製剤のウイルス光不活化法
著者: 阿部英樹1 関口定美1
所属機関: 1北海道赤十字血液センター研究部
ページ範囲:P.1081 - P.1082
文献購入ページに移動はじめに
最近,輸血の安全性に対する関心が特に高まってきているが,先日,遂にわが国では初めて,献血の血液による輸血によってヒト免疫不全ウイルス(human immuodeficiency virus;HIV)感染したことが確認された.輸血後ウイルス感染の防止には,スクリーニング検査技術の向上が大きな役割を果たしてきた.しかし,今回のケースのように,ウイルス感染後,生体が抗体をつくるまでのいわゆる検査の空白期間(ウインドウピリオド)の血液を輸血用血液から排除することは現時点では困難である.こうした危険を排除し,血液製剤の安全性をより高める一手段として,混入ウイルスの不活化が考えられる.
本稿では,最近注目を集めている光増感色素と光照射を組み合わせたウイルス光不活化法について述べる.
最近,輸血の安全性に対する関心が特に高まってきているが,先日,遂にわが国では初めて,献血の血液による輸血によってヒト免疫不全ウイルス(human immuodeficiency virus;HIV)感染したことが確認された.輸血後ウイルス感染の防止には,スクリーニング検査技術の向上が大きな役割を果たしてきた.しかし,今回のケースのように,ウイルス感染後,生体が抗体をつくるまでのいわゆる検査の空白期間(ウインドウピリオド)の血液を輸血用血液から排除することは現時点では困難である.こうした危険を排除し,血液製剤の安全性をより高める一手段として,混入ウイルスの不活化が考えられる.
本稿では,最近注目を集めている光増感色素と光照射を組み合わせたウイルス光不活化法について述べる.
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