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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻12号

1997年11月発行

文献概要

トピックス

胸腺外分化T細胞

著者: 川村俊彦1 安保徹1

所属機関: 1新潟大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.1083 - P.1085

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はじめに
 T細胞のTは胸腺(thhymus)のTに由来する.つまり,T細胞は胸腺を経由して分化・成熟するリンパ球と考えられてきた.しかし,最近になって胸腺を経由しないで分化するT細胞(胸腺外分化T細胞)の存在が明らかになってきた.
 免疫系を形成するうえで重要なことは,自己と非自己との違いを認識することである.生体は,外界からの病原体や老朽化した自己細胞を非自己と認識して,効率よく排除する.自己を攻撃してはならないのである.胸腺は,このような自己と非自己との違いを認識するのに重要な役割を果たしている.つまり,胸腺を通って分化・成熟するリンパ球は,非自己だけを攻撃し,自己を攻撃しないようにしっかりと教育を受けたリンパ球である.胸腺外で分化するT細胞は,胸腺を経由しないがゆえの特徴がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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