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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻12号

1997年11月発行

トピックス

わが国の急性肝炎におけるHGVの関与率

著者: 八橋弘1 矢野右人1

所属機関: 1国立長崎中央病院臨床研究部

ページ範囲:P.1085 - P.1087

文献概要

■HGVとは
 1989年にC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)の存在が明らかとなり,A型,B型,C型,D型,E型肝炎の診断が可能となった.その結果,これらの肝炎ウイルスに属さない,なおかつウイルス肝炎の存在が否定できないnon-ABCDE型肝炎の存在が明らかとなった.その新たな肝炎ウイルスの候補として,1995年,米国Abbott社がhepatitis GB virus-C(HGBV-C)を報告1),次いで1996年に,Genelabs Technologies社がhepatitis G virus(HGV;G型肝炎ウイルス)を報告した2).HGBV-CとHGVはそれぞれ異なる施設で発見されたが,遺伝子配列の相同性の分析結果から,両ウイルスは同じウイルスであることが判明した.
 HGVは一本鎖(+)鎖RNAウイルスであり,HCVと同様にフラビウイルス属に属していると考えられている.また,HGVは輸血など血液を介して感染する血液伝搬性ウイルスであることは確認されているが,病原性,ウイルスの増殖部位などの詳細に関しては不明であり,特に肝疾患との関連に関しても多くの問題点が提起されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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