icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻13号

1997年12月発行

文献概要

けんさアラカルト

蠕虫とIgE産生

著者: 松田信治1

所属機関: 1京都府立医科大学医動物学教室

ページ範囲:P.1154 - P.1155

文献購入ページに移動
 免疫グロブリン検査の結果,IgM,IgG,IgAの増減にかかわらず,IgEが上昇している場合がある.このような疾患にはどのようなものが報告されているのかを,さまざまな文献をもとにして,表にまとめてみた.さらに,それぞれの疾患のおおよその頻度を比べることができるように,寄生虫有卵者率1)(人口10万人対2,199.6人,1995年)を1とした場合の相対値を付け加えてみた.これからアトピー性疾患と寄生虫感染症の頻度がほかに比べて高いことがわかる.
 次に血清中総IgE値を実際に測定したものを,いくつかの疾患について比較できるようにグラフにしてみたのが図1である.寄生虫感染症では総じて比較的高い値を示すことがわかる.ところが,寄生虫と一括されている病原体のうち,単細胞の原虫類の感染症では,一般にIgEは高値を示さない.線虫・吸虫・条虫といったいわゆる蠕虫類の感染でのみみられる現象である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら