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文献概要
検査報告書の書きかた 細菌検査・2
尿培養検査
著者: 菅野治重1
所属機関: 1千葉大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.1157 - P.1160
文献購入ページに移動はじめに
尿路感染症は感染症として呼吸器感染症に次いで発生頻度の高い疾患であり,尿は培養検査において最も依頼件数が多い検体である.尿培養検査は尿路感染症の診断と治療に有益な情報を得るために行われる検査である.尿路感染症は感染部位から上部尿路感染症と下部尿路感染症に大別される.また尿道炎と前立腺炎では特殊な微生物が原因となる.
尿を培養する際に注意すべき点は,膀胱を穿刺した場合を除き,中間尿やカテーテル採尿では採尿時に尿道の常在菌が少量混入するが,起炎菌の決定には尿中菌量が重要な指標となるため,定量培養が必要となることである.また,採尿後室温に長く放置された尿では,尿中細菌が時間とともに増加するため,採尿時より培養時の菌量が著しく多くなり,起炎菌と誤る恐れが生じる.これらの事項は検査成績を解釈する際に留意すべき点である.
尿路感染症は感染症として呼吸器感染症に次いで発生頻度の高い疾患であり,尿は培養検査において最も依頼件数が多い検体である.尿培養検査は尿路感染症の診断と治療に有益な情報を得るために行われる検査である.尿路感染症は感染部位から上部尿路感染症と下部尿路感染症に大別される.また尿道炎と前立腺炎では特殊な微生物が原因となる.
尿を培養する際に注意すべき点は,膀胱を穿刺した場合を除き,中間尿やカテーテル採尿では採尿時に尿道の常在菌が少量混入するが,起炎菌の決定には尿中菌量が重要な指標となるため,定量培養が必要となることである.また,採尿後室温に長く放置された尿では,尿中細菌が時間とともに増加するため,採尿時より培養時の菌量が著しく多くなり,起炎菌と誤る恐れが生じる.これらの事項は検査成績を解釈する際に留意すべき点である.
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