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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻13号

1997年12月発行

検査法の基礎検討のしかた 微生物検査・4

免疫学的検査,遺伝子検査

著者: 望月照次1 中村良子2

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院中央臨床検査部 2昭和大学藤が丘病院臨床病理科

ページ範囲:P.1167 - P.1171

文献概要

はじめに
 微生物検査の中でも免疫学的反応が用いられる目的は,①形態あるいは生化学的性状が類似している菌種においても,既知抗体(抗血清)を用いた免疫学的手法により,その菌の化学構造(抗原決定基)の相違を区別し,菌種・菌群の型別判定が可能となる,②病原体の検出が不可能,あるいは困難な場合,患者血清と既知抗原と反応させ,抗体産生の刺激の原因となった病原体や菌体成分などを推定できる,ことが挙げられる.また微生物学的検査は,病原体の検出に“培養”を必要とし,検査結果を得るまでに長時間を要する.そこで迅速に病原体の検出ができる方法が必要となり,抗原抗体反応を利用した免疫学的検査法が用いられる1)
 一般的な免疫学的検査法を表1に示した.これらの検査法を利用する際,その検査法の原理,用いられる試薬などの機能を十分に理解することが必要である.微生物検査で用いられる免疫学的検査法は,通常,抗原(菌体自身あるいは菌体成分)をスライド上で既知抗体と反応させる凝集反応と標識抗体法が主として用いられる.そこで,実際に検査室で免疫学的検査法を利用する場合は,次の項目を十分に検討し,検査結果の信頼度を確立しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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