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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻2号

1997年02月発行

文献概要

トピックス

化学物質過敏症に対する検査

著者: 難波龍人1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.160 - P.163

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 微量の化学物質に過敏に反応し,多彩な症状を呈する化学物質過敏症という疾患がある.最近,複数のマスコミが取り上げたため,にわかに脚光を浴びているが,本邦では5年ほど前に紹介されたばかりである.しかし,欧米では20年ほど前より1つの疾患概念として扱われてきており,現在ではテレビドラマや映画の中で登場人物たちが自然に会話の中で触れるぐらいに化学物質過敏症は一般の中にも定着している1,2)
 化学物質過敏症は,少量の物質に対して過敏に反応するという点ではアレルギー性疾患に共通するところがあり,また物質が蓄積し慢性的な症状を呈する点では中毒性疾患とも相通ずる.両疾患群の特徴を兼ね備えた疾患といえる.原因物質は,われわれの通常の日常生活で出会うほとんどの物質がなりうる.床下にまいた白蟻駆除剤や蚊取り線香,防ダニグッズなどの殺虫剤,建築材料などに含まれる有機溶剤や可塑剤,接着剤,その他,芳香剤,漂白剤,洗剤,食品添加物,タバコ煙,化粧品など挙げていくときりがない.さらに食物,ダニ,花粉,動物の毛などといったアレルゲンとして働く物質も,化学物質過敏症の原因物質となりうる(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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