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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻3号

1997年03月発行

今月の表紙

幹細胞移植

著者: 巽典之1 樋口智子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.206 - P.206

文献概要

 血液細胞多元説から一元説,そして“幻の血液幹細胞”と称された幹細胞が最近そのベールを剥がし始め,臨床的に末梢血から幹細胞を分離し,癌化学療法患者に戻す骨髄幹細胞移植(PBSCT)が盛んになってきた.そして,5〜10年先には幹細胞を用いた同種幹細胞移植が癌治療の主流を占めるとの予測がされている.
 この幹細胞移植は,まず細胞分離装置を用いて単核球分画を遠心分離し,その分画中の総細胞数およびその中に含まれるCD34陽性HLA-DRlow細胞数を幹細胞として算定する.さらに,造血コロニーアッセイにより分画細胞を培養,10〜14日後ごろに形成されてくるCFU-MixあるいはCFU-GM相当のコロニー数を算定する.細胞分離装置で得た単核球分画は多種の細胞が混在し(図a),幹細胞は1/20以下しか幹細胞を有しないので,磁気ビーズ法で幹細胞を分離し(図b),移植効率を高める方法がとられることもある.分離細胞を培養することで顆粒球系や巨核球への分化(図c)もコロニー内に観察されるようになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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