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けんさアラカルト
血漿エンドセリン-1測定の直接法
著者: 岩田理子1
所属機関: 1日立化成工業(株)筑波開発研究所
ページ範囲:P.234 - P.234
文献購入ページに移動 エンドセリン-1(ET-1)は1988年,柳沢らによって発見された21残基のアミノ酸からなるペプチドで,血管内皮細胞によって産生され,極めて強力かつ持続的な血管収縮活性を有する.ET-1の血中濃度は,急性くも膜下出血,急性心筋梗塞,腎不全などの疾患で上昇することが報告されており,診断・病態把握・臨床経過観察上,その濃度測定が重要と考えられている.ところが,ET-1の血中濃度が数pg/ml(数百amol)オーダーとごく微量であるため,従来は測定前に検体試料の抽出・濃縮といった煩雑な前処理操作が必要で,これが迅速測定と正確測定の妨げになっていた.そこで,当社では検体前処理操作が不要な直接測定法の開発に着手した.
まず,検出系に高感度な化学発光反応を利用することとして,ルミノール/過酸化水素による西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)の濃度測定について検討した.化学発光検出法は高感度である反面,バックグラウンドが高い,発光持続性が低いなどの問題点があり,微量測定の妨げとなっている.これら問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果,発光反応液中に乳蛋白質を添加することでバックグラウンドが低下し,ある種の蛋白質と特定濃度の増感剤の添加により発光持続性が得られることを見いだした.
まず,検出系に高感度な化学発光反応を利用することとして,ルミノール/過酸化水素による西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)の濃度測定について検討した.化学発光検出法は高感度である反面,バックグラウンドが高い,発光持続性が低いなどの問題点があり,微量測定の妨げとなっている.これら問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果,発光反応液中に乳蛋白質を添加することでバックグラウンドが低下し,ある種の蛋白質と特定濃度の増感剤の添加により発光持続性が得られることを見いだした.
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