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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻4号

1997年04月発行

文献概要

けんさアラカルト

リポソーム免疫比濁法によるCRPの測定法

著者: 上野貴久1

所属機関: 1日水製薬(株)研究本部

ページ範囲:P.322 - P.322

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 汎用生化学自動分析機を用いた免疫測定試薬は,検体と試薬を混ぜるだけで機械が自動的に測定するという操作性の簡便さや,迅速性に加えて多項目が一度に測定できることから数多くの試薬が販売されている.なかでも,免疫血清分野のラテックス凝集法は,抗原抗体反応に依存したラテックスの凝集を透過光の減少として測定する方法であり,多くの項目が試薬化されている.しかし,ラテックスを用いた試薬はその担体表面の疎水性が高く,物理強度が強いために測定機器の反応セルを傷つけやすい問題があった.そこで今回,担体表面が親水性であり,測定機器への影響が少ないと考えられるリポソームを用いてCRP測定用試薬を開発したので,ラテックス試薬との比較を中心に報告する.
 リポソームとは,図1に示すように両親媒性のリン脂質が親水部分を外側に疎水部分を内側に向けた二重層構造の小胞体であり,一般的には生体膜の構成成分であるリン脂質とコレステロールから調製される.そして,抗体のリポソーム表面への固相化にはアミノ基を導入したリポソームを調製し,これに二官能性試薬を用いて抗体を共有結合させる.これにより,リポソーム表面と共有結合された抗体間には一定の距離が生じるために,一般的に担体凝集系で問題となる担体表面電位による反応阻害を受けにくくなることや,感作された物質の自由度が大きいために反応性が良くなるなどのメリットが得られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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