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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻4号

1997年04月発行

文献概要

検査データを考える

血中エンドトキシン

著者: 大林民典1

所属機関: 1自治医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.369 - P.373

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エンドトキシンとは何か?
 エンドトキシンとは,大腸菌や腸チフス菌などのグラム陰性菌の表面を覆っている高分子で,多糖鎖(ポリサッカライド)と脂肪(リピド)からできている.そこでエンドトキシンのことをリポ多糖またはリポポリサッカライド(lipopolysaccharide;LPS)ともいう.細菌の表面を形作っているものは細胞壁であるが,グラム陰性菌と陽性菌とではその様子がずいぶん違う.グラム陽性菌の場合,細胞壁の大部分は厚いペプチドグリカン層からできているが,グラム陰性菌の場合,ペプチドグリカン層は薄く,その代わり,さらにその外側に外膜と呼ばれる構造物を持っている.この外膜に対して,形質膜のことを内膜という.内膜はリン脂質の2重層であるが,外膜もやはり2層構造になっていて,内側のリン脂質層を内葉,外側のリポ多糖層を外葉という.エンドトキシンとは,この外葉の大部分を構成しているリポ多糖のことである(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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