icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻4号

1997年04月発行

文献概要

トピックス

CTスキャンによる体脂肪測定法

著者: 新井武志1 松沢佑次2

所属機関: 1市立芦屋病院内科 2大阪大学医学部第2内科

ページ範囲:P.384 - P.387

文献購入ページに移動
はじめに
 肥満とは「身体に占める脂肪組織(体脂肪)が過剰に蓄積した状態」であり,糖尿病,高脂血症,高血圧症,虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞),脳血管障害(脳出血や脳梗塞)などの成人病を合併しやすいことはよく知られた事実である.体脂肪の測定は従来,水中体重法によって体比重を測定する方法や3H2Oにより体水分量を計算する方法,また体内カリウムによりlean body mass(LBM,体の構成成分のうち脂肪組織以外の部分)を求める方法,皮下脂肪厚をキャリパーや超音波によって計算する方法などがあり,また最近ではインピーダンス法,CTスキャン1)やMRIによる方法,DEXA(dual energy X-ray absorptometry)による方法などが行われている.
 一方,1940年代,フランスのVagueらが肥満者の体型と臨床像との関連に注目して以来,脂肪量の量的な増加よりも,脂肪の付きかたの質的差異(脂肪分布,どこに脂肪が蓄積しているか)がより重要であることが明らかとなっている.例えば,糖尿病などの合併症の頻度は肥満度が高くなるほど増加するが,個々の例をみると,その程度(重症度)は必ずしも肥満度と一致せず,脂肪分布と強く関係している.言い換えれば,肥満は脂肪分布を検討することで,臨床上あまり問題のない良性肥満と種々の合併症を持つか,あるいは将来合併する可能性の高い悪性肥満に分けられる2,3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら