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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻4号

1997年04月発行

文献概要

トピックス

アクリノール製剤の細菌汚染

著者: 尾家重治1 神谷晃1

所属機関: 1山口大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.390 - P.392

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はじめに
 消毒剤は微生物を殺菌する目的で用いられるので,消毒剤の微生物汚染はあり得ないと考えられがちである.しかし,実際にはグルタラール(ステリハイド®,サイデックス®),次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン®,テキサント®),およびアルコールを除いて,消毒剤は高濃度の細菌汚染を受けることがある1,2).今回は,消毒剤の細菌汚染例のうち,市販アクリノール製剤の汚染について紹介する3)
 B. cepacia汚染を受けていた0.2%アクリノールガーゼ液から0.05mlずつを採り,8種類の試料(0.1,0.2,0.5%アクリノール液,精製水,およびこれらの4種類の液にそれぞれガーゼを添加したもの)に注加して,経時的にこれらの8種類の試料中の生菌数を調べた(図2).ガーゼ添加の0.1,0.2,0.5%アクリノール液およびガーゼ添加の精製水では,いずれもB. cepaciaの速やかな増殖がみられた.すなわち,ガーゼが汚染菌の栄養源となっていることが推定された.アクリノールガーゼ液の高頻度汚染は,ガーゼの添加に起因することが推定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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