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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻5号

1997年05月発行

文献概要

トピックス

トロンボポエチン

著者: 寺村正尚1 溝口秀昭1

所属機関: 1東京女子医科大学血液内科

ページ範囲:P.493 - P.495

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はじめに
 遺伝子工学技術のめざましい進歩に伴い,新しい造血因子が相次いで単離,合成された.例えば,顆粒球産生には,顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor;G-CSF),マクロファージ産生にはマクロファージコロニー刺激因子(macrophage colony-stimulating factor;M-CSF),赤血球産生にはエリスロポエチン(erythropoietin;Epo)がそれぞれの血球産生に特異的な造血因子として単離され,すでに臨床の場で用いられている.ところが,血小板産生に特異的な因子,すなわちトロンボポエチン(thrombopoietin;TPO)については,その存在が30年も前から知られていたにもかかわらず,単離されていなかった.周知のごとく,血小板増加作用を持つ因子は次々に報告されたが,いずれも血小板産生に特異的な因子ではなく,いわゆるTPOの定義に当てはまるものは見つかっていなかった.ところが,1994年になり,ついに複数の施設からTPOの単離が報告された1〜4).その後のTPO研究の進歩は日進月歩の感があり,すでに臨床試験が開始されている.
 本稿ではTPOの作用について簡単に紹介し,進行中の臨床試験の結果および今後の臨床応用の可能性や問願点について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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