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幹細胞培養
著者: 巽典之1 鎌田貴子1
所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査
ページ範囲:P.538 - P.538
文献購入ページに移動 先月は血液幹細胞の同定法の新技術について記述した.それを読んだ方から市「幹細胞培養なんて臨床検査室の仕事なの?」と反問された.いまだ議論沸騰している幻の幹細胞(図e)は,最近の知見で,もはや幻ではなくなった.ギムザ染色で映し出されるその姿は完成された美人でなく,まだこれからという印象のある蕾のようなリンパ芽球と表現できる.今,臨床検査は機械で処理できるものは分析器で,頭脳と経験を要する検査はヒトの手で行う方向にある.そして幹細胞培養が高度先進医療の中で,これからの検査の1つになることは間違いないと思われる.骨髄血中に幹細胞があると考えるのは当然として,未梢血中に幹細胞が多量に流れているとの考えかたは最初は驚きをもって受け人れられた.その細胞を生体外分化・成熟させる技術の進歩は遅々たるものであったことは事実である.その培養法を確立させたのは培養液組成や培養条件の改良と各種細胞増殖因子・サイトカインの純離であり,現在では軟寒天ないしメチルセルロース培養法,液体培養法まで種々の方法が利用できる.
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