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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻6号

1997年06月発行

文献概要

今月の表紙

幹細胞培養

著者: 巽典之1 鎌田貴子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査

ページ範囲:P.538 - P.538

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 先月は血液幹細胞の同定法の新技術について記述した.それを読んだ方から市「幹細胞培養なんて臨床検査室の仕事なの?」と反問された.いまだ議論沸騰している幻の幹細胞(図e)は,最近の知見で,もはや幻ではなくなった.ギムザ染色で映し出されるその姿は完成された美人でなく,まだこれからという印象のある蕾のようなリンパ芽球と表現できる.今,臨床検査は機械で処理できるものは分析器で,頭脳と経験を要する検査はヒトの手で行う方向にある.そして幹細胞培養が高度先進医療の中で,これからの検査の1つになることは間違いないと思われる.骨髄血中に幹細胞があると考えるのは当然として,未梢血中に幹細胞が多量に流れているとの考えかたは最初は驚きをもって受け人れられた.その細胞を生体外分化・成熟させる技術の進歩は遅々たるものであったことは事実である.その培養法を確立させたのは培養液組成や培養条件の改良と各種細胞増殖因子・サイトカインの純離であり,現在では軟寒天ないしメチルセルロース培養法,液体培養法まで種々の方法が利用できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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