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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻6号

1997年06月発行

文献概要

トピックス

最近の改良血液寒天培地にみる性能の変化

著者: 小栗豊子1

所属機関: 1順天堂大学附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.562 - P.566

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はじめに
 血液寒天培地は日常検査において最も汎用される培地であり,大半の病原菌は本培地に発育する.本培地は以前は自家調製されたが,現在では市販の生培地が多く用いられるようになった.このような現況のもとで,最近市販された血液寒天培地の中に従来のものと著しく性能の異なる培地が出現してきた.この改良血液寒天培地の中にはStreptococcus pneumoniaeの集落が腸内細菌科のように大きくなるものや,従来から血液寒天培地に発育しないとされている菌種が発育してくる培地などが見受けられる.これらの培地では性能の変化により従来の血液寒大培地の観念で検査をした場合,菌種の推定に誤解を招きやすい.しかしレンサ球菌などの集落が大きければ釣菌が容易であり,同定や薬剤感受性検査も1日以上早めることができる.また血液寒天培地に発育しないとされていた細菌が発育してくることは,従来ではこの種の培地で検出できなかった細菌の検出を可能にしたことになり,大きな前進であると受けとめることもできる.
 表1と表2は炭酸ガス培養のもとに3社の市販血液寒天培地(生培地)を用いて主要な細菌の発育状態を観察し,培地の性能を比較したものである.これらの成績から改良血液寒天培地の特徴を整理すると以下のとおりである1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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