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輸血検査メモ
臓器移植とミクロキメリスム
著者: 久永倫聖1 中野博重1
所属機関: 1奈良県立医科大学第1外科学教室
ページ範囲:P.78 - P.78
文献購入ページに移動1992年,Starzlらにより臨床肝および腎移植後,ドナー由来の遺伝子がレシピエントの末梢組織に存在することがpolymerase chain reaction(PCR)法により確認された1).すなわち,臓器あるいは細胞レベルのキメリスム(マクロキメリスム)に対し,遺伝子レベルでキメリスムの成立していることが明らかとなり,“ミクロキメリスム”という言葉で表現される新しい概念が提唱された.具体的にはレシピエント各組織(血液,リンパ腺,皮膚など)よりDNAを抽出し,性決定遺伝子(SRY gene),あるいはドナー型HLA-DRB 1遺伝子特異的プライマーを用いてPCRを行うことにより,105分の1レベルのキメリスムを解析することができる.これまでの抗体を用いたフローサイトメトリーの検出限界を103分の1とすると,約100倍に感度を上げることができたわけである.
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