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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

増刊号 輸血検査実践マニュアル 各論 血液型 赤血球

その他の血液型とまれな血液型

著者: 常山初江1 内川誠1

所属機関: 1日本赤十字社中央血液センター

ページ範囲:P.96 - P.100

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はじめに
 1900年のLandsteinerがABO血液型を発見し,抗原と抗体の概念がはっきりと確立された.このABO血液型の判定が実際の輸血の応用され始めたのは1907年からである.この後,1940年代の初めまで,患者と輸血用血液のABO血液型を一致させても,しばしば患者に溶血反応が観察されていた.1940年,ようやくRh血液型のD抗原が確認された.1945年,IgG抗体の検出感度の優れた抗グロブリン法が開発され,溶血反応の原因となる血液型をはじめとして新しい血液型の発見が相次ぎ,今日に至っている.
 国際輸血学会は,256種類の抗原を認めている.これらの抗原のうち,特異抗原を決定している遺伝子が,対立遺伝子として同じ遺伝子座を占めるか,あるいは遺伝子座が密の連鎖しているものを,血液型システム(系列)として分類している(表1).現在ABO,Rhをはじめとして23の血液型システムがあり,201種類の抗原で構成されている.さらに抗原の中には,抗原の陽性頻度が集団内で1%以下の低頻度抗原や,抗原の陽性頻度が99%以上の高頻度抗原がある.高頻度抗原が陰性の血液型を“まれな血液型”と呼んでいる.“まれな血液型”の人が輸血や妊娠を繰り返し,対応する高頻度抗原と反応する抗体をつくってしまった場合,同じ“まれな血液型”の赤血球が輸血のために必要となる.このため,血液センターでは30種類近くある“まれな血液型”を探す努力を続けている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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