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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

増刊号 輸血検査実践マニュアル 各論 血液型 不規則抗体検査

自己抗体と輸血

著者: 石田萠子1

所属機関: 1関西医科大学附属病院輸血部

ページ範囲:P.113 - P.119

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はじめに
 輸血検査における直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test;DAT)陽性例のうち,代表的なものに自己免疫性溶血性貧血(auto-immune hemolytic anemia;AIHA)がある.AIHAは,なんらかの原因によって免疫機構に破綻をきたし,赤血球に対する抗赤血球自己抗体(自己抗体)を産生する.この抗体が患者の赤血球に作用して溶血を起こす疾患である.これらの自己抗体は古くから反応至適温度によって温式と冷式自己抗体に分類されている.しかし,抗体検査が詳細に行われるようになった現在,必ずしもこの分類に当てはまらない例も出てきている.いずれにしても自己抗体保有患者への輸血は慎重に対応されており,高度の貧血が急速に進む場合や,ステロイド剤,その他の治療で効果が期待できない場合に行われる.その際の輸血検査では,自己抗体に覆われた血液の取り扱いに特別の注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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