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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

輸血検査メモ

造血因子—エリスロポエチン

著者: 平嶋邦猛1

所属機関: 1埼玉医科大学附属病院健康管理センター

ページ範囲:P.126 - P.126

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 赤血球産生の制御が体液により調節されていることは,すでに1906年,CarnotとDeflandreにより推定されたが,実証されたのは1950年代のReissmannのparabiosisの実験,Stohlmanの動脈管開存症での骨髄観察成績,Elslevの貧血家兎血漿大量注射時の造血亢進の実験による.この体液性調節因子をeryth ropoietin(EPO)と命名したのは,1948年,BonsdorffとJalavistoである.EPOの純化は1977年,宮家により再生不良性貧血患者の尿を材料として達成された.分子量39,000(後に34,000と訂正),シアル酸を13%含む糖蛋白質である.この宮家の精製品を用いて1984年,JacobsとLinによりヒトEPOの遺伝子クローニングが達成され,医薬品としての利用の途が開かれた.
 ヒトではEPOの約90%が腎臓で産生される.循環血の酸素飽和度を腎臓のヘムを多量に含んだ近位細尿管細胞がデオキシ型ヘムの増加という形で感知し,2時間以内にEPOのmRNAが発現し,腎皮質の間質細胞,peritubular capillary endothelial cellsからEPOが産生されると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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