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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

増刊号 輸血検査実践マニュアル 各論 血液型 HLA検査

血清学的検査

著者: 荒木延夫1 能勢義介1 神前昌敏2

所属機関: 1兵庫県赤十字血液センター・技術部検査課 2兵庫県赤十字血液センター・技術部

ページ範囲:P.130 - P.138

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はじめに
 1952年,Daussetらは白血球凝集試験を用いて輸血患者血清中に抗白血球抗体を検出し,HLA抗原(human leukocyte antigen;ヒト白血球抗原)を発見した.その後,同様の抗体がPayneらによって輸血患者のみでなく経産婦血清中にも見いだされ,HLA抗原は血清学的方法により同定,確立されていった.そして,近年,特定の遺伝子領域を指数関数的に増幅(polymerase chain reaction;PCR)し,DNAレベルで解析する方法が開発され,HLA抗原は着実に解明されようとしている.
 HLA抗原は,ヒト第6染色体短腕上の主要組織適合性複合体(major histocompatibility compnex;MHC)遺伝子領域によりコードされ,MHC領域はクラスⅠ,Ⅱ,Ⅲに分類されている1)(図1).クラスⅠ遺伝子領域のHLA-A,B,C,(E,F,G)座でコードされるMHCクラスI抗原はα鎖およびβ2-ミクログロブリンからなり,ほとんどすべての有核細胞,血小板上に表現されている.また,血漿中には大量の可溶性クラスⅠ抗原が存在している.クラスⅡ遺伝子領域のHLA-DR,DQ,DP座などでコードされるMHCクラスⅡ抗原はα鎖,β鎖のヘテロ二量体からなり,Bリンパ球,活性化Tリンパ球,単球などの限られた細胞に表現されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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