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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

輸血検査メモ

プリオン感染

著者: 中野今治1

所属機関: 1自治医科大学神経内科

ページ範囲:P.163 - P.163

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 プリオン蛋白(PrP)は宿主の遺伝子によってコードされている蛋白であり,プリオン病は,PrPの変化が原因で発症する一群の神経疾患の総称である.プリオン病には,医原性プリオン病やkuruのように人から人への感染が知られている感染性プリオン病〔新型Creutzfeldt-Jakob病(CJD)1)は狂牛病からの感染が推測されている〕,Gerstmann-Straussler-Scheinker病のようにPrPの遺伝子に変異を有する遺伝性プリオン病,孤発性CJDのように原因不明のプリオン病の3型がある.ただし,後2者においても実験的には伝播可能である.プリオン(prion:proteinaceous infectious particle)は,プリオン病の感染因子に対して与えられた名称で2),核酸を持たず,PrPがその主要構成蛋白であるといわれている.
 CJDの感染を恐れるあまりCJD患者の剖検を行わない施設が多く,診療を拒否する病院さえある.しかし,孤発性CJDが人に感染したことを確実に示す例はない.CJDの剖検に関係した医師や技術員の発症はごく少数であり3〜5),これらの例がCJD患者の脳に濃厚に暴露されたとの証拠はなく,偶発的なものである可能性が高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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