icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

輸血検査メモ

習慣流産と免疫療法

著者: 青木耕治1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.172 - P.173

文献購入ページに移動
●習慣流産
 3回以上連続する習慣流産は決してまれな疾患ではない.近年の英国の女性医師を対象とした調査によれば,妊娠した女医の約1%が,筆者らの調査では,約3%の妊婦が3回連続流産を経験していた.そして,すでに周知の事実であるが,連続流産回数が増すに従って,その後の流産率の上昇が認められている.
 習慣流産の原因については,胎芽の染色体異常が約10〜20%,子宮異常が約10%,内分泌異常が約10%(ただし内分泌異常は同種免疫異常と連動しているようである),自己免疫異常が約10%(ただし筆者らの調査結果によると,抗核抗体陽性のみでは流産発症の予知にはなりえない1))を占めているようであるが,50%以上はNK(ナチュラルキラー)細胞活性の異常高値2)を含めた同種免疫内分泌異常によるものであると推定される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?