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輸血検査メモ
TMA法
著者: 前田平生1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター輸血部
ページ範囲:P.194 - P.194
文献購入ページに移動 核酸増幅法の1つであるTMA(transcription mediated amplification)法は,1細胞に1個のDNAの遺伝子よりも数千コピー存在するリボソームRNAの遺伝子をターゲットにすることにより,感度を必要とする感染症などの検出系において開発,実用化されたRNA増幅法である.現在では,このTMA法は,DNA依存性DNA合成酵素活性を持つ逆転写酵素とRNAポリメラーゼを利用することにより,DNAをターゲットとしたRNA増幅法として改良が加えられ,HLAクラスⅡ遺伝子のタイピングに応用されている.白血球より抽出したDNAは相補的水素結合で二本鎖を形成しているが,熱変性により一本鎖DNAにする.次に温度を下げ,プロモータープライマーとアニーリング後,DNA依存性DNA合成酵素活性を持つ逆転写酵素を加え,プライマー伸長反応による二本鎖DNAを合成する.再び熱変性を行い,温度を下げ,第2プライマーのアニーリング後,さらに逆転写酵素とRNAポリメラーゼにより第1プライマーの配列が導入された二本鎖DNAが産生され,この二本鎖DNAを鋳型にしてRNAポリメラーゼが働き,最終産物として相補的な一本鎖RNAが多量に合成される.
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