icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

輸血検査メモ

TMA法

著者: 前田平生1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター輸血部

ページ範囲:P.194 - P.194

文献購入ページに移動
 核酸増幅法の1つであるTMA(transcription mediated amplification)法は,1細胞に1個のDNAの遺伝子よりも数千コピー存在するリボソームRNAの遺伝子をターゲットにすることにより,感度を必要とする感染症などの検出系において開発,実用化されたRNA増幅法である.現在では,このTMA法は,DNA依存性DNA合成酵素活性を持つ逆転写酵素とRNAポリメラーゼを利用することにより,DNAをターゲットとしたRNA増幅法として改良が加えられ,HLAクラスⅡ遺伝子のタイピングに応用されている.白血球より抽出したDNAは相補的水素結合で二本鎖を形成しているが,熱変性により一本鎖DNAにする.次に温度を下げ,プロモータープライマーとアニーリング後,DNA依存性DNA合成酵素活性を持つ逆転写酵素を加え,プライマー伸長反応による二本鎖DNAを合成する.再び熱変性を行い,温度を下げ,第2プライマーのアニーリング後,さらに逆転写酵素とRNAポリメラーゼにより第1プライマーの配列が導入された二本鎖DNAが産生され,この二本鎖DNAを鋳型にしてRNAポリメラーゼが働き,最終産物として相補的な一本鎖RNAが多量に合成される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?