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文献概要
増刊号 輸血検査実践マニュアル 各論 輸血臨床
外科手術の輸血
著者: 面川進1 三浦亮1
所属機関: 1秋田大学医学部附属病院輸血部
ページ範囲:P.222 - P.228
文献購入ページに移動はじめに
各医療機関における血液使用量のうち,外科手術時の使用が占める割合は少なくない.以前は手術時の輸血として,手術で出血した量と同量,そして同質な輸血とし,全血(新鮮血)輸血が考えられたこともあった.しかし,成分輸血療法として,生体の赤血球,血小板,凝固因子,アルブミンなど,血液各成分の体内分布,体内生産量を考慮した,より生理的な輸液,輸血療法が,外科手術時の出血に対して行われてきている.また,外科手術時の血液準備方法として,過剰な準備を回避し,適正使用を推進するため,Type & Screen(T & S),MSBOS(maximum surgical blood order schedule;最大手術血液準備量)システムが導入され,さらに血液使用適正化に加え,輸血副作用防止を目的として,自己血輸血が外科手術に対して広く行われている.このように,外科手術時の輸血を取り巻く環境は大きく変わってきている.
本稿では,T & S,MSBOSによる手術用血液有効利用と,手術時の輸血について,筆者らの施設での実際も含めて述べる.
各医療機関における血液使用量のうち,外科手術時の使用が占める割合は少なくない.以前は手術時の輸血として,手術で出血した量と同量,そして同質な輸血とし,全血(新鮮血)輸血が考えられたこともあった.しかし,成分輸血療法として,生体の赤血球,血小板,凝固因子,アルブミンなど,血液各成分の体内分布,体内生産量を考慮した,より生理的な輸液,輸血療法が,外科手術時の出血に対して行われてきている.また,外科手術時の血液準備方法として,過剰な準備を回避し,適正使用を推進するため,Type & Screen(T & S),MSBOS(maximum surgical blood order schedule;最大手術血液準備量)システムが導入され,さらに血液使用適正化に加え,輸血副作用防止を目的として,自己血輸血が外科手術に対して広く行われている.このように,外科手術時の輸血を取り巻く環境は大きく変わってきている.
本稿では,T & S,MSBOSによる手術用血液有効利用と,手術時の輸血について,筆者らの施設での実際も含めて述べる.
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