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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻7号

1997年06月発行

文献概要

輸血検査メモ

末梢血幹細胞移植とCD34陽性細胞

著者: 諏訪多順二1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター第2外科

ページ範囲:P.254 - P.254

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 CD34抗体は,1984年にCivinによってヒト白血病細胞株KG1aを免疫原としたモノクローナル抗体My─10として開発された.このCD34抗原を発現している単核球(CD34陽性細胞)中に造血前駆細胞が高率に含まれていることから,CD34陽性細胞は造血前駆細胞のマーカーとして広く用いられている.
 末梢血幹細胞(peripheral blood stem cell;PBSC)移植では,移植に先だって患者自身から十分量のPBSCを採取しておく必要がある.PBSCは,G-CSFなどのサイトカイン投与時や骨髄毒性を有する抗癌剤化学療法後,またはG-CSFと化学療法の両者によって末梢に一時的に高濃度に出現する(PBSCの動員),このため,PBSCの動員時期の的確な予測は,効率的なPBSC採取を行ううえで重要な課題である.Sienaは,フローサイトメトリー試験のスキャッターグラム上でリンパ球領域にゲートを設定し,ゲート内の細胞1×104個を測定することでCD34陽性細胞を測定する方法を開発した1).筆者らも,この方法に準じて末梢血中CD34陽性細胞濃度を0.1%レベルの精度で測定しており.採取開始の指標としている.末梢血中CD34陽性細胞は,PBSC採取時期を決定するうえにおいて最も有用な指標といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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