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輸血検査メモ
donor-specific blood transfusion(DST)
著者: 松野剛1 羽井佐実1 折田薫三1
所属機関: 1岡山大学医学部第1外科
ページ範囲:P.291 - P.291
文献購入ページに移動以前には腎移植レシピエント候補者に術前輸血を行うことはむしろ禁忌とされていた.これは輸血により感作され,ドナー細胞に対する抗体産生などにより,生着率を低下させると考えられていたことによる.1970年代にOpelzらにより移植前輸血の移植腎生着率改善における有効性が報告され,移植前輸血の重要性が認められるようになってきた.1980年SalvatierraらによるDSTの臨床応用により,非常に高い生体腎移植生着率が報告され注目された.彼らはリンパ球混合培養反応(mixed lymphocyte reaction;MLR)の高い反応性を有する(拒絶反応を起こしやすい)ドナーとレシピエントの組み合わせにおいて,1年生着率がDST非施行群56%に対し,DST施行群94%と著しく改善し,また拒絶反応も有意に低頻度であると報告した.その後の追試でもDSTにより10〜50%の1年生着率改善が得られ,DSTの有効性が確認され,多くの移植施設でDSTが行われた.
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