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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻8号

1997年07月発行

文献概要

今月の表紙

抗核抗体検査

著者: 巽典之1 樋口智子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.636 - P.636

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 膠原病は病態が複雑で,診断が難しい疾患の代表であり,検査法が多数あると同時に,その解釈に苦しむことが多い.発熱,皮膚症状,筋・関節・循環器・腎・呼吸器・消化器・神経・リンパ節・血液などの諸症状が不定の形で出ることが多い。γ-グロブリンが上昇するため血沈は亢進し,CRPが陽性のことが多いが,血沈亢進でCRP陰性のことも少なくない.
 膠原病を疑ったときの第一次スクリーニングとしては,自己抗体とCH50低下度を調べることになっているが,さて,その自己抗体に何を選ぶかが問題となる.日本臨床病理学会はその選択と判定に,①リウマトイド因子陽性,②LEテスト陽性,③抗DNA抗体陽性,④FANA(蛍光間接法による抗核抗体)陽性染色パターンの鑑別を推奨している.①,②は数値化されたデータが提示されるので判定は容易である.③の抗DNA抗体としては,抗dsDNAと抗ssDNA抗体の有無を調べることになるが,キットが古くなると,一本鎖DNAの対応抗原が形成され,抗ssDNA抗体値が高くなる危険性がある.さて,④抗核抗体の検査も検査室に検査依頼が多いが,その結果が活用されているかどうか,はなはだ疑わしい.臨床医にとってもspeckledやらdiffuseやらといわれてもわかりにくいというのが本音らしい.喜んでいるのは“綺麗!”と感心しながら顕微鏡をのぞき込んでいる検査室だけのようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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