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文献詳細

雑誌文献

検査と技術25巻8号

1997年07月発行

文献概要

オピニオン

臨床検査医と病理医

著者: 関口進1

所属機関: 1前:防衛医科大学校検査部

ページ範囲:P.664 - P.664

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 読者の皆様はよくご存じのことだが,今,臨床検査医と病理医の間で新しい関係ができつつある.臨床検査医は日本臨床病理学会の認定医であり,病理医は日本病理学会が認定している.この両専門領域は似て非なるものというべく,異なっている.すなわち,いわゆる検体検査を主とした業務を専門とする医師を臨床検査医(clinical pathologist;CP),病理検査を専門とする医師を病理医(anatomical pathologist;AP)といっている.不思議なことに,健康保険上では病理は検体検査と別のカテゴリーに含まれている.
 今起こっている新しい関係とは,このAPとCPの両方の専門を兼ね備えた医師をつくろうというわけである.大学では国公私立医大のほとんどが臨床検査医学講座,臨床病理学講座を認めているが,これはCPで,APは大学の病理学教室,病院病理部または中央検査室の一部門の中に存在する.しかし,一般病院ではAP,CPと別々に定員化して採用している施設はほとんどなく,APが常勤で病理をやりながら,検査室の運営を検査部長として任されている施設が多い.APは以前から病理標本を見て診断を下すことが“医行為”として認められ,病理診断料として保険にも収載されていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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