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病気のはなし
肝細胞癌
著者: 筆宝義隆1 大西真1
所属機関: 1東京大学医学部第3内科
ページ範囲:P.6 - P.13
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肝細胞癌は慢性肝炎や肝硬変を母体として肝臓に発生する悪性腫瘍である.近年ではこれらの基礎疾患を持つ患者に対する定期的なスクリーニングの普及と,解像度が高く,高度な質的診断が可能な画像診断や,感受性・特異性の高い腫瘍マーカーの開発により,早期に発見される症例が増えてきている.また,治療法も従来の外科手術や動脈塞栓術(TAE)以外にも,侵襲の少ない内科的治療(エタノール注入療法,マイクロ波疑固療法)が急速に普及してきており,肝機能が悪くて,従来なら治療不可能な症例にも治療が可能になってきている.輸血や母子感染を契機とする肝炎ウイルス感染の予防が奏効し,肝細胞癌は将来的には減少に転じると予想されているが,今後十数年以上は依然として多くの新規症例が発生するものと思われる.
肝細胞癌は慢性肝炎や肝硬変を母体として肝臓に発生する悪性腫瘍である.近年ではこれらの基礎疾患を持つ患者に対する定期的なスクリーニングの普及と,解像度が高く,高度な質的診断が可能な画像診断や,感受性・特異性の高い腫瘍マーカーの開発により,早期に発見される症例が増えてきている.また,治療法も従来の外科手術や動脈塞栓術(TAE)以外にも,侵襲の少ない内科的治療(エタノール注入療法,マイクロ波疑固療法)が急速に普及してきており,肝機能が悪くて,従来なら治療不可能な症例にも治療が可能になってきている.輸血や母子感染を契機とする肝炎ウイルス感染の予防が奏効し,肝細胞癌は将来的には減少に転じると予想されているが,今後十数年以上は依然として多くの新規症例が発生するものと思われる.
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