icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻10号

1998年09月発行

文献概要

技術講座 生化学

潜在基準値の考えかたと統計処理法

著者: 細萱茂実1 尾崎由基男2

所属機関: 1山梨医科大学医学部附属病院検査部 2山梨医科大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.837 - P.842

文献購入ページに移動
新しい知見
 臨床検査における標準化の一環として,1995年にNCCLSより“基準範囲”の概念と設定法に関する指針が公告された.その内容は,従来のいわゆる“正常値”のとらえかたや設定法に誤解や混乱が多くみられた状況を配慮し,“基準値”を改めて再考したものとなっている.本指針で再定義された内容が普及するに伴い,基準範囲に対する考えかたも標準化されつつある.ただし,基準範囲の設定に関する処理過程のすべてが明確になったわけではなく,基準標本群の抽出法や標本に含まれる外れ値の除外法また統計処理法など,実践上の課題がいくつか残されている.それらの問題に具体的に対処するための手法の1つが潜在基準値抽出法である.その原理は多項目検査データを利用して外れ値を除外する考えかたであり,従来から提唱されていた概念を統計学的理論とデータ解析技術を駆使して実用化した手法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?