icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻10号

1998年09月発行

文献概要

技術講座 微生物

β-ラクタマーゼの分類

著者: 石井良和1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.859 - P.866

文献購入ページに移動
新しい知見
 β-ラクタマーゼは従来,基質特異性,分子量,等電点,抗体との反応性などをもとに分類されていた.しかし,以前,広域スペクトルを有するセファロスポリナーゼとして分類されていたProteus velgarisのβ-ラクタマーゼは,構造遺伝子のDNAの塩基配列が決定されると,実はペニシリナーゼに分類されるべきであることが明らかとなった.また,第三世代セフェム系抗菌薬を分解する基質特異性拡張型β-ラクタマーゼも構造遺伝子の塩基配列の決定から,ペニシリナーゼの一種が突然変異を起こしたものであることが明らかとなった.このように,β-ラクタマーゼを分類する場合,基質特異性や生化学的性状のみを参考に分類するのは危険で,β-ラクタマーゼのアミノ酸配列をもとに分類すべきであると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら