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低体温療法における脳内NO3—とアミノ酸の動態
著者: 原克子1 高橋伯夫2
所属機関: 1関西医科大学附属病院中央検査部 2関西医科大学病態検査学講座
ページ範囲:P.904 - P.906
文献概要
低体温療法は,1943年,Fay1)によって重症頭部外傷患者の治療に試みられて以来,数々の優れた脳保護作用が報告された.1980年以後,低体温の脳保護効果は代謝抑制によるために,より低い低体温療法が求められた結果,合併症の頻度が増加し,危険な治療法とし一時中断された経緯がある.しかし,1989年にBustoら2)により33〜34℃のmild hypothermiaにより著明な脳保護効果があることが確認されて以来,脳損傷に対する有効な治療法と位置づけられている.
本稿では,当院での重症脳障害患者における脳低体温療法時の一酸化窒素(安定な代謝産物としてNO3—)と興奮性アミノ酸の動態と,脳内におけるそれらの物質の作用機序につき考察する.
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