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病気のはなし
急性肺血栓塞栓症
著者: 国枝武義1
所属機関: 1慶應義塾大学伊勢慶應病院内科
ページ範囲:P.930 - P.938
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疫学的に見て,臨床上有意な肺血栓塞栓症のわが国の発生頻度は米国の1/50と考えられる.米国での年間発生数は50〜60万人とされ,1/50でも相当な患者数になる.わが国でも発症2時間以内に死亡する症例が8%の頻度で見られ,発症即死亡に至るような致死性急性肺血栓塞栓症が,欧米に近い相対的頻度で発症することが明らかになった.治療の第一選択薬は従来どおりヘパリンであるが,急性肺血栓塞栓症は新鮮血栓が肺動脈を閉塞する疾患であり,発症初期の血栓溶解療法が有効である.それゆえ,早期診断・早期治療の必要性が高まった.今後ますます問題になる疾患だけに,本症の理解と認識が臨床の現場で要望されてきている.
疫学的に見て,臨床上有意な肺血栓塞栓症のわが国の発生頻度は米国の1/50と考えられる.米国での年間発生数は50〜60万人とされ,1/50でも相当な患者数になる.わが国でも発症2時間以内に死亡する症例が8%の頻度で見られ,発症即死亡に至るような致死性急性肺血栓塞栓症が,欧米に近い相対的頻度で発症することが明らかになった.治療の第一選択薬は従来どおりヘパリンであるが,急性肺血栓塞栓症は新鮮血栓が肺動脈を閉塞する疾患であり,発症初期の血栓溶解療法が有効である.それゆえ,早期診断・早期治療の必要性が高まった.今後ますます問題になる疾患だけに,本症の理解と認識が臨床の現場で要望されてきている.
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