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結核の罹りやすさは遺伝子によって決まるのか
著者: 大久保昭行1
所属機関: 1大蔵省印刷局東京病院
ページ範囲:P.1009 - P.1009
文献購入ページに移動 マウスにおけるMycobacterium avium complex,M. lepraemurium,Leishmania donovani,Salmonella typhimuriumなどの感染に羅りやすさは,網内系細胞だけに発現するnatural-resistance-associated macrophage protein 1(Nramp 1)遺伝子の影響を受けていて,Nramp 1の169番目のアスパラギン酸がグリシンに変わると感染に対する抵抗性が変わることが,ノックアウトマウスを用いた実験で明らかにされている.ヒトについても,結核菌への感染しやすさに遺伝子の影響があることが,人種差1,2)や双生児研究法3,4)などによって示されていたが,結核菌に対する感受性を決める遺伝子は同定されていなかった.マウスのNramp 1遺伝子に対応するヒトのNRAMP 1遺伝子は,染色体の2q35に位置づけられており,多型の存在が知られている.最近,Bellamyらは西アフリカのガンビアにおいて,410例の成人の肺結核患者(喀痰塗抹陽性)と人種的にマッチさせた417例の健常者を対象に,NRAMP 1の型と結核に対する感受性との関連を調べ,その結果を報告した5).
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